社長インタビュー -interview-

CHIKEN HOME Story伝える本物の家づくり

施主から子どもへ、そして孫の世代まで100年以上住み続けられる家を目指して、左官職人でもある智建ホームの代表 泊岩 智がこだわる家づくりとはーー。その思いの中には、ずっと日本が大切にしてきた家づくりの基本がありました。

家づくりに欠かせない職人の技術

ー 泊岩社長はもともと左官職人でいらっしゃるんですよね。

泊岩 私は18歳の時に、一人前の左官職人を目指して京都の親方へ弟子入りしました。職人の世界は厳しく、先輩たちが手取り足取り教えてくれるわけではないんです。弟子の仕事をこなしながら、親方や先輩の仕事を見て自分で覚えていく、これが修業です。早く親方のような職人になりたかったので、誰よりも早く現場に行って、仕事を覚えました。20代で独立して左官業を始めた頃は、住宅会社の左官の仕事を請け負い、弟子を育てながら、数多くの現場を手がけてきました。弟子たちと朝早くから夜遅くまで、左官の仕事に誇りを持って頑張りましたね。私の下で一人前になった弟子たちが独立する時は、昔の自分を思い出して本当にうれしかったです。

ー 一人前になるにはどれくらいの年月が必要なんですか?

泊岩 その人の努力次第ですよね。10年くらいはかかると思います。左官のことはもちろん、家づくりや建築用語もわからない少年たちですから、一人前の職人になるのは大変なことです。現場の状況を判断し、素材の配合、手を入れるタイミング、最後まで責任を持って最高の仕上がりまで持っていくことができて、はじめて一人前と認めてもらえる。そこには技術はもちろん経験が重要になってきます。職人の世界は本当に厳しいものです。でも、施主さんにとって家を建てるというのは、人生の中でも大きな決断を必要とするものですから、最高の形に仕上げなければならない。職人の世界が厳しいのは当たり前のことなんです。私にとってもとても素晴らしい経験でした。

ー 左官職人から智建ホームを立ち上げようと思ったのは?

泊岩 住宅の建築方法、素材などが時代の移り変わりによって大きく変化していったのがきっかけです。左官の仕事は、内部・外部の塗り壁や外回りの仕上げ、台所の流し台、浴室、洗面台などの多岐に亘っていました。昔の家づくりには、大工も含め多くの職人の手が入り、天候や気温などの自然と向き合いながら、時間をかけて作るのが普通だったのです。工場で作られる規格商品や建築資材を使った家づくりへと変わり、内装は塗り壁仕上げがビニールクロスへ、外壁も塗り壁からサイディング仕上げが主流になり、職人の仕事が減ってしまったことが大きな転機ですね。

100年先まで続く価値のある家を

ー 価値のある家づくりには「外断熱」が必要だと思ったのですか?

泊岩 作業効率の良い工場生産の家づくりが進んだ結果、化学物質過敏症やカビ・ダニによる健康被害や、住宅内での温度変化によるヒートショックなど住む人が健康に暮らせない住宅が建設されてしまいました。安心して暮らすことができる住宅を作るためにはやはり日本人が家づくりで大切にしてきた職人の技術が必要なのだと強く思い「漆喰」の技術を要した省エネルギーの「外断熱」の家を造ることに決めたんです。それからは内断熱の住宅は建築していないですね。当社の家づくりは、規格住宅ではないので、現場で作業をする職人の技術と経験値が大変重要になってきますね。だからこそ、当社の家造りには「職人の技術・継承」を大切にしているのです。特に「外断熱環境リフォーム工事」にいたっては、職人のもっとも高い技術や経験値が必要になる工事です。これからはこのようなリフォーム工事も行っていく義務があると考えています。

ー 智建ホームが目指す家づくりとは?

泊岩 「家」で一番大切なのは、家の中の環境だと思うんです。中の環境は、実際に住んでからわかる部分。だからこそ、私たちが作る家は、漆喰だからこそ出来るクリーンな空気で、住む人にとって、心地良く、健康で安心して住める環境を作るということを一番に考えています。そうして行きついたのが、外断熱であったり、漆喰だったりといった当社の家づくりのこだわりです。こうした技術をもっと多くの方々に知っていただき、本物の家づくりの大切を伝えていけたらと思っています。